ゴルフは幼少期や学生の時には
プレーをする機会が少ない人も多いと思います。
ですが、ゴルフはスポーツの中でも
走ったり衝突したりするなどの
激しいプレーがなく身体への負担も少ないので
スポーツ経験がない人や
運動が得意ではない人でも始めやすく
今、大人/社会に人気のスポーツのひとつです。
そこで今回は、
ゴルフで起こりやすい“肋骨骨折”について紹介します。
肋骨は捻りの動きに弱い!
上半身の動きは背骨(胸椎)1つ1つが動くことで
よりスムーズに身体を動かすことができます。
そして肋骨は、胸椎を関節を成しているので
上半身の動きは肋骨にも影響を与えます。



胸椎の動きには
前屈・後屈・左右の側屈(横に倒す動き)・
左右の捻転(捻りの動き)の6つがあり
側屈と捻転は連動している(Coupled motion)ため
側屈をする際には胸椎に捻転の動きが起こり
捻転をする際には胸椎に側屈の動きが起こります。
(例:右側屈→左捻転、右捻転→左側屈)
その中でも身体の捻転は
肋骨自体にも捻転の力が加わり
すなわち、肋骨が雑巾絞りをされているような状態になります。
また、肋骨は身体の前で胸骨とも関節を作っていて
肋骨の間には筋肉(内・外肋間筋)があるため
肋骨の動きに制限がかかり
上半身の動き、特に捻りの動きで負担がかかりやすいです。
さらに、肋骨の動きは
呼吸の際に胸郭を広げたりすぼめたりして
肺の動きをサポートするためにとても重要な役割を担っていて
肋間筋を含む肋骨の動きに関わる
いくつかの筋肉は呼吸筋と呼ばれ
呼吸時の肋骨の動きをコントロールしています。
基本的には呼吸は無意識的に随時行っていますが
スポーツのスイングや
何かを引っ張ったり押したりするときなど
捻りの動きに力を込める時には
息を一時的に止めたうえで勢いよく身体を捻ります。
つまり、肋骨の動きを制限しているのに
肋骨を強引に動かしていることになり
肋骨への負担は大きくなり
また胸椎や胸骨との関節部分にも
大きな負荷がかかってしまいます。
そのため、その動作を繰り返し行うことで
肋骨関節(胸肋関節、肋横関節、肋椎関節)の捻挫や
肋骨骨折を引き起こしやすくなります。
ゴルフ以外でも起こるかも!
ゴルフでの過度なスイングの
繰り返しで起こりやすいことから
ゴルフ骨折のような通称もある肋骨骨折は
身体の捻り運動を頻繁に行う他のスポーツでも
十分起こる可能性があります。
例えば、野球のバッティングは
ゴルフのスイングと同様に
右打ちか左打ちかのどちらかだけで
行うことがほとんどですよね。
細かいスイングフォームの改良をしても
基本的なフォームが同じものを繰り返せば
同じところに負荷がかかりやすくなるため
その部分のケガを引き起こしやすくなります。
また、テニスのストロークのように
ゴルフや野球ほど捻りの動きが大きくなくても
瞬発的な左右の捻りの動きを伴うスポーツは
疲労の蓄積により瞬発力が低下することで
関節や筋肉を痛めやすくなり
その分骨自体への負担も大きくなります。
そして、スポーツ以外でも
捻りの動きを頻繁にしたり過度な捻りの動きをすることで
肋骨骨折が起こってしまったり
年齢やホルモン、栄養などによって
骨の強度が低下することで骨折のリスクが高くなります。
どうやって予防する?
“繰り返しの捻り動作による肋骨骨折”であれば
捻りの動きを控えるのが一番の近道ですが
スポーツをやり始めて楽しい時や
仕事上その動きを控えることが難しいなど
タイミングや状況によっては
捻る動きを単純に減らすことが
できない/難しいこともありますよね。
そこで、少しでも肋骨骨折もしくは
肋骨周辺の捻挫や筋肉損傷のリスクを軽減する
4つのポイントを紹介します。
とはいえ、その4つはとてもシンプルで簡単です。
① 筋力&柔軟性UP
② ストレッチなどによる身体のケア
③ 水分補給と栄養の取れた食事
④ 十分な睡眠/休息
筋力や柔軟性を上回る動きは
身体への負担も大きいうえにダメージを受けやすく
それによるダメージ/疲労の蓄積も起こりやすいです。
ダメージや疲労がある部分は
それを修復/回復するために必要な栄養素や物質が
血液を介して補給されるので
ハリやコリがある、浮腫んでいるなどの状態は
血流を低下してしまい、修復/回復を遅らせてしまいます。
そのため、ストレッチを日課にしたり
時間のある時にはマッサージを受けたりするなどして
血流の低下を防ぐことが大切です。
ですが、血流を改善しても水分量が少なければ
血液はドロドロになり巡りが悪くなりますし
十分に血液が循環しても栄養素が少なければ
修復/回復のスピードは落ちてしまいます。
日頃からこまめに水分をとり
食事の栄養バランスに気を配ることはもちろんですが
ストレッチやマッサージなど血流が活発になる前後には
しっかりと水分を補給するようにしたり
ダメージ/疲労がある時には
より意識して栄養を取るようにしましょう。
そして、睡眠/休息を十分にとり
身体が修復/回復をスムーズに行えるようにしましょう。
ダメージ/疲労がある状態で身体を休めずにいると
傷口に塩を塗るようなもので
ダメージ/疲労の蓄積を引き起こしてしまい
結果として骨折などのケガの原因となってしまいます。
日々のスケジュールを調整するなどして
十分な睡眠時間と休息の時間を
確保するようにしましょう。
最後に
興味を持ってはじめて
楽しくて上手くなりたくてたくさん練習してのに
それが原因でケガをしてしまって
それ自体出来なくなってしまうのは悲しいですよね。
普段から身体のケアや食事、睡眠などに気をつけて
少しでもリスクを下げられるようにしましょう。
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