オステオパシーには
腹部内臓をターゲットとした
テクニック(Visceral techniches)があり
お腹の不調や循環の改善のサポートなどに
主に用いられていますが
実は、首の痛みにも
効果があると言われています。
そこで今回は、
Visceral techniquesと首の痛みの
関係について紹介します。
Visceral techniquesって?
Visceral techniquesは
胃や大腸、十二指腸など
腹部の臓器をターゲットとしたもので
ダイレクトとインダイレクトの
両方で使うことができます。
基本的には
臓器周辺の柔軟を改善して
臓器の働きを改善することを目的としていたり
それにより腹部の循環を改善して
リラックス効果を目的として
用いられることが多い施術方法です。
どうして首の痛みに効果があるの?
首は、脳(頭)と身体(胴体)の連結部分なので
胴体部分や手足の神経は全て首を通っています。
その中でも
内臓の痛みなどの感覚を
脳へ伝える神経(内臓の感覚神経線維)は
首から枝分かれしているので
首の感覚を脳に伝える神経を刺激して
脳が「首に痛みがある」と
勘違いしてしまうことがあります。
そのため、慢性的に腹部内臓に不調があり
内臓の感覚神経線維の信号伝達が
活発な状態が続くことで
首の神経も長期間刺激していしまうことになり
慢性的な首の痛みを引き起こすことがあります。
また、同じエリアから分岐している
神経が支配している首の筋肉では
筋肉のハリが強くなることもあり
それによって、首に痛みを
生じてしまうこともあります。
お腹のどのあたりをターゲットにする?
腹部の臓器の感覚神経線維を
含んでいる神経はいくつかありますが
それを特定することはできません。
そもそも、内臓の状態の影響を
受けていると思われる主な首の状態は
NSNP(non-specific neck pain)だと言われています。
これは、首に痛みはあるものの
首の構造上に問題はなく
変形や損傷などがみられない状態です。
つまり、何が痛みを引き起こしているのか
非特定:non-specificな状態ということです。
ただし、もし現状でお腹に
不調があるのであれば
その周辺を中心に施術をしたり
特に自覚していないのであれば
さわってみて、ハリや不快感などがある周辺を
中心に施術を行うことで
首の痛みに対していい効果が出ることがあります。
また、交通事故以降
首の痛みに悩んでいる場合は
十二指腸をターゲットに施術をすることで
痛みが緩和すると言われることもあります。
最後に
今回は、お腹の調子と首の痛みの
関係について紹介しましたが
Visceral techniquesはオステオパシーの
施術方法の中でも科学的根拠が
高いものではありません。
ですが、いくつかの実験(文献)において
このテクニックによって
首の痛みが軽減したというデータが出ているので
首への施術であまり効果がみられないのであれば
一度試してみるいいかもしれません。
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