今回はPR(Positional Release)について紹介します。
PRって何?
PRとは筋肉を緩めるために使われるテクニックで
BLTと原理は同じです。
そのためPRは筋肉をターゲットとしながら
神経の流れを整えるテクニックです。
ただし、PRはBLTと違い
インダイレクトテクニックでです。
筋肉を緩める際には
マッサージやストレッチ、
METなどを利用することが多いですが
それらのテクニックは1つの筋肉を
ピンポイントで狙って治療するのはとても難しいです。
またマッサージなどの指圧や
筋肉の伸び縮み(ストレッチやMETなど)によって
痛みや違和感が生じる場合には
それらのテクニックの効果を出すことができなくなったり
施術によって症状が悪化してしまうことがあります。
そこでPRを用いて施術することで
痛みや違和感などを最小限に抑えて
ターゲットとする筋肉を緩めることができます。
どんな時に使うの?
PRはインダイレクトテクニックなので
急性の状態でも使えないことはありませんが
基本的には慢性の状態の筋肉に対して使われます。
①筋肉にハリやコリがある
②筋肉の柔軟性の低下により関節の動きが悪くなっている
③筋肉の痛みにより筋収縮やストレッチに不快感がある
④METを使用できない場合
PRのターゲットは筋肉なので
多くの場合はハリやコリのある筋肉を
緩めるために使用されます。
また筋肉の柔軟性が損なわれると
それに伴ってその周囲の関節の動きが悪くなったり
血液循環や神経の流れが悪くなったりします。
確かに筋肉のハリやコリ、
それに伴う機能障害を改善するのなら
METでも効果が出ますし
METの方が周辺の筋肉(補助筋)にも
同時にアプローチをかけることができるので
目に見えた改善が得られやすいです。
しかし、痛みや違和感などによって
筋肉の収縮やストレッチに抵抗を感じていたり
それらの動きができなかった場合
PRが利用されることが多いです。
その他にもBLT同様に
コミュニケーションを取るのが難しい場合
(幼児、難聴、寝ているなど)には
METを使用することができないので
PRを使うことで筋肉を緩めることを可能にします。
またMETを施してもあまり効果が見られない場合にも
PRを使うことで局所的に治療ができるので
効果が出ることが多いです。
さらに筋肉の走行的に
ストレッチやMETを行うのが難しい筋肉に対しても
PRを使うことで
その筋肉のハリやコリの除去を促すことができます。
使う際の注意点!
PRはターゲットとなる筋肉を
確実に刺激する必要があるので
解剖学(筋肉の位置)をしっかりと把握し
さらにそれを触知できることが大前提となります。
また当然のことですが
急性の状態の方に施術する際は
急性症状(熱感、赤み、腫れ、強い痛みなど)の
ある部分は避けて行いましょう。
先ほどPRは
「コミュニケーションを取るのが難しいときに使える」と
紹介しましたが
BLT同様にコミュニケーションが取れる状況の場合には
患者さんとコミュニケーションを取りながら
患者さんが最も楽なポジショニングで施術を行います。
そのため患者さんと
しっかりコミュニケーションを取りながら
施術を行うことも大事なポイントです。
もちろん患者さんと
コミュニケーションを取りながらPRを行う際も
触知している筋肉の緩みなどを感じながら
ポジショニングを行いますが
ハリのあるポジショニングの方が
痛みが少ないこともあります。
そして私の経験ですが
ハリの少ないポジションよりも
患者さんが楽と思うポジションの方が
筋肉が緩むのが少しですが早いように感じます。
その時の状況や患者さんによって
コミュニケーションの可否は変わりますが
PRを行う際は
可能な限りコミュニケーションを取りながら行うと
よりその効果を得ることができます。
最後に
首や肩、腰など筋肉のハリやコリが原因で
痛みが出たり動きが悪くなったりと
日常の生活にも支障をきたすことがあります。
本来リラックスを求めて行う
マッサージやストレッチで痛みや違和感を感じてしまっては
リラックスするどころか
症状が悪化してしまうこともあります。
その人の症状や状態によって
PRを使うことで
少ない不快感でより効果的に治療を行うことができます。
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