腰に対してのテクニックはさまざまありますが
今回は仙腸関節(骨盤)をターゲットにした
Sacral rockingについて紹介します。
Sacral rockingってどんなテクニック?
Sacral rockingは
仙腸関節の動きを改善するもので
ダイレクトテクニックです。
仙腸関節は主に身体の前屈後屈の際に
関節の動きがみられますが
実は呼吸の際にも動いています。
息を吸った時(吸気)は
腰椎部分の前弯が減少するため
仙骨が後ろ方向に回転します(Counter-nutation)。
逆に息を吐いた時(呼気)には
腰椎部分の前弯がもとに戻るため
仙骨が前方向に回転します(Nutation)。
そのため
仙腸関節の動きが悪くなっている場合に
呼吸を利用して仙腸関節の動きを促すために
このテクニックを用いります。
どんな効果がある?
Sacral rockingの効果としてあげられる
1つは腰痛の改善です。
仙腸関節の動きが悪くなっていると
その周りが本来仙腸関節が担っている動きを
カバーしなければいけなくなるので
その分負担も大きくなり
結果として腰痛を引き起こします。
2つ目に自律神経の乱れの改善です。
自律神経のうち副交感神経は
脳神経の1つの迷走神経(CN10: Vagus nerve)と
仙髄から出ている
骨盤内臓神経(Pelvic splanchnic nerves)から
全身の臓器に伝えられているので
仙腸関節を含めた仙骨周辺の不調は
骨盤内臓神経の働きに影響を与えます。
また、この骨盤内臓神経は
大腸(横行結腸の後半1/3~直腸)と
膀胱などの泌尿器や生殖器へ神経を走らせているので
Sacral rockingなどの仙腸関節を改善するテクニックによって
これらの臓器の働きの改善や
女性の場合、月経によるさまざまな症状を
緩和できることがあります。
どんなことに気を付けたらいい?
このテクニックはうつ伏せ(腹臥位)で行うので
妊娠中の方や急性腰痛(ぎっくり腰など)など
うつ伏せになれない人には行うことはできません。
また、骨折や捻挫など
仙腸関節周辺でケガをしている状態の時や
完全に回復していない状態の時には
細心の注意を払いながら行う必要があります。
女性に行う場合には
月経中はお腹・腰回りに刺激を与えることに
嫌悪感を覚える人や
施術によって一時的にもともとある症状が
強くなってしまうこともあるので
しっかりとコミュニケーションをとって
施術に移ってください。
もちろん、施術中に
痛みや不快感が出た時には直ちにストップしましょう。
最後に
仙腸関節は動きの小さい関節ですが
私たちの何気ない動きをサポートしてくれる
大切な関節です。
お腹周りや腰回りに不調がある場合には
ぜひ仙腸関節もチェックしてみてください。
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