今回は、HVLA(矯正)の1つである
Wing-lift について紹介します。
Wing-lift ってどんなテクニック?
冒頭でも紹介しましたが
Wing-lift はHVLAの1つであり、ダイレクトテクニックです。
ターゲットとなるのは
背骨の関節(胸椎&腰椎椎間関節)で
特に胸椎椎間関節や胸腰椎移行部で使われることが多いです。
テクニックとしては
座った状態で施されるもので
「ポキッ」という音がなることもあります。
Wing-lft は椎骨の向きを正常に戻したり
椎間関節のハリを取り除いてくれるので
身体(上体)の動きが良くなったり
痛みを軽減してくれたりします。
どんな時に使うの?
Wing-lift は
背骨(椎骨)の配列に乱れがみられる時に
使われることが多いテクニックです。
椎骨の配列が乱れてしまうと
それに伴って椎間関節の動きが悪くなってしまうので
動きに柔軟性がなくなったり
動かした時に痛みを生じることがあります。
また、胸椎には肋骨が連結しているので
胸椎の配列に乱れが生じることで
肋骨の動きにも影響が出て
息がしづらくなったり
慢性的な肋骨捻挫の原因となることがあります。
さらにこのテクニックは
”スペースを作る”時にもよく使われます。
椎骨の配列は首~腰まであり
ここで使われている椎骨(23個)は
それぞれに影響をしています。
そのため、
背中の上のほう(上部胸椎)や
胸腰椎移行部にWing-lift を施し
背中部分のハリなどを取り除くことで
”スペース”を作って
首の動きを改善したり
腰の症状(痛みや痺れなど)を緩和するために使われます。
気を付けることは?
このテクニックはHVLA(矯正)の1種なので
OMTの中でも比較的
施術者からの力が影響しやすいです。
そのため、骨軟化症や骨粗しょう症など
骨が弱くなっている人には使うことができませんし
50~60代以上の方に行う際にも
健康状態をしっかりと把握したうえで
注意して行う必要があります。
変形性関節症のように
関節自体が変形してしまっている場合にも
このテクニックによって
骨折などのケガを起こすことがあったり
症状が悪化してしまいます。
また、打撲や捻挫などケガの直後には
このテクニックによって
症状/状態が悪化してしまう危険性があるので
損傷部位は避けて行うようにしましょう。
これらのような特別なコンディションでなくても
このテクニックのポジショニングを行ったときに
痛みや不快感が生じた時には
他のテクニックを用いて
改善を試みる必要があります。
その他にも
HVLA(矯正)そのものを好まない人もいるので
施術を行う前にしっかりと説明をして
了承を得たうえでWing-lift を行うことが大切です。
また、成長過程にある子ども(高校生以下)に対しては
成長軟骨やその他の軟部組織の損傷の危険性があるので
HVLAは行わないようにしましょう。
最後に
背骨(椎骨)の配列を整えるだけでなく
その他の部位の改善にも役立つWing-lift は
HVLAの中でも使用頻度の高いテクニックですが
使う対象やタイミングなどを間違えてしまうと
効果が出ないだけでなく
ケガなど悪影響を与えてしまうこともあるので
施術の際には気を付けて行ってください。
Kommentare