"不安障害" と聞いて
みなさんはどんな状態を想像しますか?
「不安」という言葉から
"不安な気持ち" を持った状態だということは
想像しやすいと思います。
ですが、不安障害は
そんな感情を抱くだけでなく
身体的な症状まで出てきてしまいます。
また、不安障害は
その症状が起こる対象や場面、
きっかけなどによって
いくつかに分類されています。
そこで今回は "不安障害" について
簡単に紹介します。
不安障害って?
不安障害は日常の中で抱く不安感が
異常に強くなることで
心拍数の上昇や発汗、震えなど
身体的な症状が出てしまい
場合によっては気絶をしてしまうなど
日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。
不安障害には
特定の状況によって起こる
社会性不安障害(恐怖症)や分離不安障害、
○○恐怖症のような
閉所恐怖症や高所恐怖症、先端恐怖症、
また特定の出来事が原因で発症する
心的外傷後ストレス障害(PTSD)などがあります。
このように特定の "何か" に
極度の不安感/恐怖感を感じることで
発作が起こるものが多いですが
パニック障害や全般性不安障害のように
日常の何気ないちょっとした不安感などが引き金となり
自分でも予期せず発作が起こるものもあります。
不安障害の多くは幼少期から始まっていて
成人以下で15~32%、大人でも4人に1人は
不安障害を持っているとも言われています。
そして、不安障害を抱えている人は
別の不安障害やうつ病などの気分障害を
併発していることが多いため
完治するケースはとても少なく
多くの人がこれらの障害とうまく付き合いながら
生活を送っています。
不安障害って改善できないの?
先ほども紹介したように
不安障害を抱えている人の多くは
その他の精神疾患を同時に抱えていたり
また、脳内の神経システムの変化(Neuroplasticity)によって
その構造や働きが変わってしまっていたりするので
完治することがとても難しいと言われています。
では、改善することもできないのでしょうか?
そんなことはありません。
不安障害や気分障害は
薬を用いた薬物療法をはじめ
認知行動療法(CBT: cognitive behavioural therapy)など
さまざまな治療法で症状の緩和や改善がみられています。
そしてほとんどの場合が
1つの治療法だけをするのではなく
いくつか治療法は組み合わせて行うことで
より効果的に治療を行っています。
ただし、症状の度合いにもよりますが
不安感やそれに伴う症状の緩和は容易ではないので
短期間で改善することは基本的にできません。
さらに、不安の対象となるものが
病気などの健康状態によるものや
職場や家庭環境など
すぐに変えられない状況などの場合には
まずはそれらを解決/変化する必要があるので
長い目で治療に取り組む必要があります。
また、認知行動療法や運動療法のように
本人の積極的な取り組みが不可欠な治療法は
その人の健康状態や精神/心理状態によっては
適応しないこともあるので
その時その時に合った治療法で
改善を試みる必要があります。
オステオパシーにできることって?
不安障害の症状の1つに筋肉の緊張があります。
人は不安や恐怖を感じた時
無意識に身体に力が入ってしまいます。
筋肉だけに限らず、身体のハリやコリは
痛みや侵害刺激の脳への信号伝達を強めてしまい
不安などの負の感情を誘発しやすい状態に
してしまうと言われています。
そのため、マッサージや
ストレッチテクニックなどを用いて
身体/筋肉の緊張を取り除くことで
それらを緩和することができます。
また、人に触れることにより
心拍数や血圧の低下などのリラックス効果や
不安軽減効果もあるとも言われています。
ただし、PTSDや対人恐怖症など
知らない人/異性に触れられることに
不安/恐怖を感じる場合もあるので
オステオパシーが適さないこともあります。
最後に
子どもから大人まで
幅広い年齢の人で見られる不安障害は
その発作を引き起こす状況や対象の物などによって
さまざまな種類があり
また、その対象の状況/物がなければ
基本的に問題なく生活を送れる人から
日常生活がままならず
社会から一度距離取る必要がある人など
症状の度合いも人それぞれです。
不安障害や気分障害のような精神疾患は
いつ誰にでも起こり得るもので
完治や改善はもちろん
予防/対策もとても難しいです。
ですが、薬物療法など
特別な資格を必要とする治療法を除いた
治療方法は予防/対策としても
活用することもできますし
不安障害だけに限らず
その他のさまざまな病気や身体の不調の
予防・改善にもなるので
できることから取り入れてみてください。
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