みなさんは
ケガなどの心当たりもなく
原因もわからない身体の不調を体験したことはありますか?
疲れが取れにくくなったり
眠りが浅くなったり
頭痛などの”痛み”を感じることがあったり…
これらの不調は
もしかしたら「心の健康」が関係しているかもしれません。
今回は
「心の健康が身体にどのような影響を与えるのか」を
紹介します。
心の不調で起こる身体の不調は?
日々の生活のなかで
”ストレス”を感じない日ってないですよね。
特別何かを言われたりされたりしなくても
偶然通った場所で不快に感じる場面に出くわしたり
自分の取った言動に苛立ちを感じたり。
もちろん、生活に”リズム”を出したり
健康的な日々を送るためには
ある程度のストレスはとても大切です。
しかし、過度なストレスや心の疲弊は
身体にさまざまな不調を引き起こします。
不安・苛立ち・恐怖などを感じている時
人の身体はストレス状態になり
交感神経が優位の状態になってしまいます。
そのため、身体が防御態勢になり
無意識的に筋肉が働いたり(歯の食いしばりなど)
血管の収縮、消化活動の低下が起こります。
これらが起こることにより
筋肉のコリによる身体の痛みや不快感、
頭痛や疲労感の増加などが起こりやすくなります。
また、ストレス状態が続いていくと
交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなり
睡眠の質が低下したり
疲れが取れにくくなったり
腸の活動が低下することで”幸せホルモン”が減少して
幸福感を感じにくくなったりします。
さらにこの状態が長期化したり症状が悪化した場合には
摂食障害(過食症、拒食症など)や
睡眠障害(不眠症など)を引き起こしてしまったり
うつ病を患ってしまうことがあります。
そして、これらの状態になってしまうと
”負のループ”に陥っている状態になり
改善するのに長期間を要するようになります。
心の健康状態を改善するためには?
”すぐできること”としては
①ストレスを感じる環境から距離を置く
②運動や食事などの生活の見直し・改善
の2つがあげられます。
①の場合は
職場を変えるのも生活のコミュニティを変えるのも
すぐにというのは難しいので
あくまで”可能な限り”にはなってしまいます。
もし職場やコミュニティを変えることが可能なのであれば
できるだけ早めに行動に移してみてください。
逆に「変えたい」けど
変えることが難しい、もしくは無理だと思う方や
誰かに相談してみてください。
もちろん、家族や友人など信頼している人でもいいですし
知っている人の方が相談しにくいという方なら
カウンセラーなど名前も顔も知らない人に相談するのもいいです。
そしてその時には
自分が感じていること思っていること
どうしたいのかなど
できるだけすべて言葉にしてみてください。
その時に明確な解決策が見つけられなくても
自分の頭や心の中を言葉にして声に出してみると
”本当の自分”に気が付けて
それだけで少し気持ちが楽になることもあります。
また、環境を変える必要はないけど
ある特定の人や出来事に対して
過度なストレスを感じてしまう方は
「なぜストレスに感じてしまうのか」
その人や出来事の
「なににストレスを感じてしまうのか」など
その”ストレス”を紐解いてみてください。
そうすることで、改善策や対応策など
「自分がどうしたらいいのか」が見えてくると思います。
少し厳しいことをいうと
自分が誰かや何かを変えることはできません。
自分で自分を変えるのも大変なのに
自分と違う価値観や考え方を持った”誰か”変えるのは
その何倍も難しいですし
その複数の”誰か”によって生み出された”何か”を変えることは
さらにその何倍も難しいです。
もし仮にできたとしても
自分を変える方が簡単だし
周囲を変えようとしても身が持ちません。
そのため、自分で考えるにしても
誰かに相談するにしてもポイントは
「自分がどう変わればこの環境が変わるのか」です。
そしてこの”自分を変える”というのは
根本的な性格や価値観を変えるという難しいものではなく
少し違った視点から物事を考えるようにするというものです。
例えば、お茶碗が割れた時
「不吉だ」と思う人もいれば
「自分のケガなどの身代わりになってくれた」と思う人もいます。
恐らく、後者の考え方の方が
気持ちが楽に感じる方の方が多いと思います。
自分の心の健康において大切なのは
「正しいか正しくないか」ではなく
「気持ちが軽くなるか重くなるか」を基準に考えることです。
自発的に変えていくことは難しいかもしれないので
「気持ちが軽くなる」ような考え方をしている人と
一緒にいる時間を作ってみるのもおすすめです。
また②の生活の見直しは
心と身体両方の健康を促進することができます。
よく”幸せホルモン”と言われるセロトニンは
約95%以上が小腸で生成されていると言われていて
小腸の働きが悪くなれば
体内の幸せホルモンは減少してしまいます。
そのため、お腹の調子が悪くなるような食べ物を避けたり
セロトニンの生成に必要なトリプトファンを
多く含む食べ物(バナナや大豆製品など)を
積極的に食べるようにしてみてください。
また、適度な運動(特に有酸素運動)は
ストレス軽減にとても有効なので
少し時間に余裕がある時には
外へ散歩に出かけてみることをオススメします。
さらに、体内時計を調整してあげると
交感神経と副交感神経の切り替えが行いやすくなるので
太陽の出ている時には日の光を浴びることを
意識してみてください。
自分で改善を試みても
なかなか良くならなかったり
むしろ悪化してしまう場合には
専門医に相談してみてください。
最後に
うつ病を含む精神疾患は
全体の病気の約1/4を占めていて
他の病気の罹患率を高めたり
早期死亡の原因にもなってしまいます。
少しでも「心の不調」を感じた時には
無理をせずにできるだけ早く
心のケアをしてあげましょう。
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