”光”は目(視覚)から情報を得るうえで
とても大切なものです。
そして、この”光”は”見る”という行為だけでなく
自律神経にも作用し
私たちの身体を覚醒させたりリラックスさせる効果もあります。
今回はそんな”光”がどのように
私たちの身体、自律神経に影響を与えるのか紹介します。
”光”は体内のリズムを整えてくれる!
”光”はその明るさや
それに当たる時間帯によって
交感神経と副交感神経の働きに作用することで
乱れてしまった体内のリズムを整えてくれます。
例えば
明るい光(蛍光灯など)は暗い光(豆電球など)に比べると
交感神経の働きを活発化させる作用があり
脳や身体を覚醒状態にします。
この作用は
ICUにいる手術後の患者にも同様にみられ
交感神経の活発化による筋収縮が起こったそうです。
ですが、この活性化は一時的なものなので
急激に交感神経の働きを活発化させることによって
副交感神経へのギアチェンジを
よりスムーズに行うことができます。
また、朝に明るい光に当たることは入眠を早め
夕方に明るい光に当たることは入眠を遅らせます。
そのため
これらの要素をうまく利用することによって
乱れた体内リズムを整えたり
睡眠の質を向上することができます。
”光”は治療にも使われている!
”光”は光線療法(BLT: bright light therapy)として
主にうつ病を罹患している方に利用されています。
まだメカニズムにおいては明確ではありませんが
いくつかの理論からうつ症状の緩和が説明可能なことから
光線療法は抗うつ作用があると言われています。
例えば
非季節性うつ病の罹患者にとって
”光”は体内のセロトニン(幸せホルモン)を
日中を通して上昇させます。
また一般的な非季節性うつ病の罹患者の
サーカディアンリズム(体内リズム)の乱れは「入眠の遅延」なので
朝に光線療法を行うこと有効であると言われています。
さらに”光”は
サーカディアンリズムの調整を行う
サインとしての役割もあることから
うつ病患者によくみられる
体内リズムの抑揚の低下・消滅を改善させると言われています。
その他にも
低照度の光をダイナミック点灯を30分間行うことで
副交感神経の働きが上昇すると言われていて
主観的なリラックス感にも上昇がみられます。
※ダイナミック点灯:一定の周波数で高速に点滅させる。
最後に
日々の疲れやストレス、生活リズムの乱れによって
体内のリズムが乱れてしまって
睡眠の質の低下や疲れの蓄積などを感じる方は
身近にある”光”を利用して
体内リズムの改善を図ってみるといいかもしれません。
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