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その痛み,”そこ”が悪いからじゃないかも⁉

更新日:2023年11月10日

頭痛や、首や肩の痛み、腰痛など

痛みに悩みながら生活されている方も

多いのではないでしょうか?


痛みの原因には

ケガや病気など身体が実際に

ダメージを受けている場合もありますが

長期間に渡って痛みを抱えている場合

その原因は別にあるかもしれません。


今回は長期間に渡って痛みを感じる

「慢性痛(Chronic pain)」について紹介します。




そもそも”痛み”って何?

痛みには大きく分けて

身体にダメージを受けて痛みを感じる

侵害受容性疼痛(Nociceptive pain)

神経自体がダメージを受けた時に痛みを感じる

神経因性疼痛(Neuropathic pain)の2種類があります。


またそのダメージを受けてすぐの時の痛みを

急性痛(Acute pain)といい

ダメージの修復期間を超えた痛みを

慢性痛(Chronic pain)といいます。


基本的には

身体がダメージを受けた場合には

3か月以内にはそのダメージを受けた組織は修復します。

※個人差があり、また神経損傷の場合は異なります。


そのため、3か月以上にわたる長期的な痛みは

慢性痛と分類されることが多いですが

急性痛と慢性痛の境は明確にはされていません。


また身体はどこにもダメージを受けていないのに

ストレスや不安感など

心理的/精神的なダメージで起こる

心因性疼痛(Psychogenic pain)もあります。

※心因性疼痛については別途投稿をします。


これら全てに共通していることは

心と身体どちらか1つでもダメージを受けると

”痛み”が発生するということです。


また、急性痛の場合には

身体の危険と強い関係があるため

生きるためにとても大切な信号なのです。



慢性痛はどうして起こるの?

慢性痛が起こるメカニズムについては

まだ完全に解明されていません。


ですが、多くの文献で

慢性痛は精神状態と深く関係があるだろうと言われています。


その理由の1つとして

痛み信号の伝達路と気分調節を行う

脳領域が同じであることが挙げられています。


そのため、精神的/心理的によくない状態の時に

その信号が間違って処理されてしまうことで

”痛み”として感じてしまうのではないかと言われています。


逆に”痛み”は

脳内の快楽物質(ドーパミンなど)や

幸せホルモン(セロトニン)などの分泌を

制限するとも言われているため

痛み→精神的/心理的不調→痛み→・・・

という風な負のループを生み出してしまいます。


またストレス状態にある時には

身体は交感神経優位の状態となり

痛み刺激に対して敏感になってしまったり

実際には痛みを生じないことでも

「これで痛みを感じるだろう」と思い込んでしまうことで

痛いと感じてしまう(Nocebo effect)こともあります。


さらに、うつ病の人の脳の一部は

そうでない人に比べて小さくなっており

その一部が痛み信号を処理する部分と同じであることも

理由の1つです。


精神状態とは関係ない面でも

痛みを抱えている人の脳の一部では

大脳の代謝の低下や

血流量や脳脊髄液量の減少がみられることからも

痛みのある場所の問題ではなく

神経的/脳的にも問題が生じているとも言われています。


また”痛み”を感じた時には

脳内でドーパミンが分泌されますが

これが過剰にもしくは長期的に分泌された場合には

神経が可逆的に変性して痛み刺激に過敏になるため

通常「痛い」と感じないような刺激に対しても

痛みを感じてしまうことがあると言われています。


その他にも

どこかに痛みがある時に

人は意識的/無意識的にその部分を

庇うような動きや姿勢をして

痛みが強くならないようにします。


これは確かに一時的な痛みの緩和にはなりますが

長期的に考えた場合には

その部分を使わないことによって

のちに筋力低下や柔軟性の低下によって

痛みとして症状が出てしまう原因にもなり

結果として慢性痛となってしまうこともあります。



最後に

普段”痛み”について

深く考えることはないと思いますが

その痛みがどうして起こっているのか

またどこに原因があるのかというのを

把握することは痛みを改善するためにとても大切です。


また、慢性痛においては

治療方法はまた確固としたものはなく

治療期間に関しても長期間を要します。


もし、慢性痛に悩んでいる方は

1回ないしは数回の治療で治そうと思わずに

時間をかけてしっかりと改善していくようにしましょう。

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