今回はArticulatory techniqueについて紹介します。
Articulatory techniqueってどんな手技?
このテクニックは
"Articulation"、すなわち関節を
施術者によって反復して動かすことで
関節の動きをよくするものです。
また、このテクニックは
”動きの悪い関節を動かす”ので
ダイレクトテクニックになります。
本来、関節は自分で動かすと
屈伸運動がほとんどで
関節によっては捻り運動ができたりはします。
しかし、このテクニックでは
もちろん屈伸運動などの
関節そのものの動きを反復させることもありますが
前後左右にスライドさせたりすることで
よりその関節をスムーズに動かすことが
できるようになります。
どんな時に使うの?
多くの場合は
動きが悪くなっている関節に
動きを改善するために使われます。
ケガの後やケガによる固定で
一時的に使われなくなった関節は
強ばってしまい動きが悪くなりますよね。
この場合、ストレッチや筋力トレーニングなどによって
大きな動きは比較的早く改善されますが
関節内の小さな動きの改善には
時間がかかってしまいます。
また、これを放置してしまうと
この”小さな動き”をカバーしようと
周辺の関節が過度に動かされてしまったり
負担が大きくなることで
ケガをしていないところに不具合が生じてしまいます。
そのほかにも
指のように細かな動きが必要な関節や
もともと動きが小さい関節の場合には
関節内の小さな動きがとても大切になってきます。
そのため
このテクニックで他動的に
小さな動きを反復することで
関節の動きにゆとりを作ってあげます。
関節の動きがよくなると
その関節周辺の血流も良くなるので
指先が温まりにくい方にもおすすめのテクニックです。
さらに、変形性関節症のように
関節の進行性の病変の場合には
HVLAのようなテクニックは使えないので
このテクニックを用いて
症状の進行(関節可動域の低下)を抑制します。
どんなことに気を付けたらいい?
Articulatory techniqueは
治療を施す関節や動きにもよりますが
基本的には小さな動きを反復するテクニックなので
特別気を付けなければならないことはありません。
ただし、骨折や靭帯損傷直後の関節や
その近くに位置している関節は
状態を悪化させたり治りを遅くする危険があるので
適切な判断が必要になります。
また、変形性関節症など
進行性病変によって関節の動きが悪くなっている場合には
無理に動かすと痛みが生じたり
関節周辺の正常の組織を損傷してしまう可能性があるので
進行具合をしっかり把握したうえで
患者さんとコミュニケーションを取りながら
施術を行う必要があります。
最後に
Articulatory techniqueは
関節内の小さな動きを改善することで
関節の動きの質を向上したり
関節周辺の血流を改善することができます。
とてもやさしいテクニックですが
場合によっては注意が必要になるので
しっかりと問診・診察を行ったうえで行いましょう。
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