虫歯や顎関節症など
歯や顎が痛いや違和感があると
頭まで痛くなってくることありますよね。
歯/顎の1か所に
痛みがあるだけでもつらいのに
頭痛まであると
仕事や生活にまで支障が出てしまうことも…
そこで今回は
どうしてそんなことが起こるのか
紹介します。
1.筋肉によるもの
虫歯や顎関節症などで
顎関節がスムーズに正常な動きができない場合
その関節を動かしている筋肉には
通常よりも負担がかかります。
顎関節を動かす咀嚼筋には
咬筋、内側・外側翼突筋、側頭筋の4つがあり
このうちの側頭筋は
頭のこめかみ部分についています。
そのため、この筋肉に疲労が溜まり
ハリやコリが出てしまうことで
痛みを生じてしまうことがあります。
また、筋肉にハリやコリが出ることで
筋膜や皮膚など周囲の軟部組織にも
柔軟性がなくなって痛みを感じたり
血管を圧迫してしまうことで
痛みを生じたりすることもあります。
2.神経によるもの
顔の触覚や痛覚は
脳神経の三叉神経(CN5)によって
脳へ伝えられます。
そして、頭痛の原因の1つである
頭部の血管の痛覚も
この三叉神経によって情報が伝達されます。
そのため、歯や顎だけに限らず
顔に痛みがある場合
頭痛として症状が出ることがあります。
これは関連痛/放散痛の1つでもあり
1つの神経がいくつもの場所の管理を行うことで
実際にケガや炎症などが起きているところと
別の場所に痛みを生じてしまいます。
また、この三叉神経の神経節(神経の塊)は
耳の穴の少し前あたりに位置していて
この位置は顎関節のすぐ近くでもあります。
顎関節に炎症や痛みがあることで
この三叉神経節を刺激してしまうことで
頭痛を生じることもあります。
3.薬によるもの
これは先ほどの神経によるものに
少し関連していますが
歯や顎だけに限らずどこかの痛みを抑えるために
長期間に渡って痛み止めを飲むことで
頭痛を引き起こしやすくなってしまいます。
薬にもよりますが
1カ月に10~15日以上の服用を
3カ月以上続けることによって
神経が変化をしてしまうことで
本来痛みを感じないほどの刺激でも
痛みを感じてしまうようになってしまいます。
そしてこれは、慢性痛を引き起こす
メカニズムと同じでもあり
長期的に痛みがあることによって
神経が変化をすることで
本来の痛みの原因が解決しても
痛みを感じ続けてしまうことがあります。
そのため、長期間にわたる
痛みやその原因の放置や薬の多用は
痛みを増強してしまったり
”本来ない痛み”を感じてしまう
要因となってしまうので
痛みがある場合には
適切な対応と処置を行って
薬を用いる際には
頻度や期間に気を付けて服用しましょう。
最後に
頭痛は現在300以上もの種類があると言われ
その多くは原因やメカニズムが
解明されていません。
ですが頭痛は、普通の方でも約40%、
顎関節症を患っている人では
60%以上の人が自覚している症状です。
頭痛は心身の健康状態を
改善することで緩和されることもあるので
まずは生活スタイルの見直しから
始めてみてください。
また、身体のどこかに”痛み”がある場合には
その原因の解決をできるだけ早く行いましょう。
※頭痛の中には
脳血管疾患などの病気が原因のこともあるので
原因不明の長期的な頭痛や
しびれやめまい、吐き気など
頭痛以外に複数の症状がある場合には
詳しい検査を受けてください。
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