腰痛と消化器官
- trefle osteo
- 2022年5月24日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年11月11日
「腰が痛い」とき、みなさんはどこが悪いと思いますか?
多くの人が「腰が痛いんだから腰が悪い」と思うのではないでしょうか。
確かに多くの場合
筋肉や関節、靭帯など腰部に関係するものが原因で
痛みとして症状が出ます。
ですが、腰の治療を長く続けているのに改善が見られない場合
原因はほかにあるかもしれません。
そこで今回は
「腰痛と消化器官の不調」について紹介します。
腰痛の原因は消化器官!?
消化器官である小腸、大腸が
どうやって位置を維持いているか知っていますか?
それは腸間膜です。
腸間膜とは2層の膜で後腹壁から
臓器を包みこむようにぶら下がっています。
腸間膜には毛細血管や神経、リンパ管などがあり
臓器への栄養供給や神経信号伝達などを行ったり
消化器官で吸収した栄養素を
体内に取り込むのに大きな役割をしています。
この腸間膜に包まれている臓器に異常があると
腸間膜の動きが悪くなり
付着部の後腹壁に牽引力がかかってしまします。
それにより腰に悪いところがなくても
”腰痛”として症状が出ることがあります。
また”関連痛”により
臓器の不調が”腰痛”として出ることがあります。
※関連痛に関しては後日紹介します。
どうやって治療する?(施術者向け)
腰痛に限らず治療を行う時の第一ステップとして
問診でしっかりと症状を聞くことが大切です。
・いつから始まったのか
・どういう痛みなのか
・痺れや脱力感などの神経症状があるか
・排尿排泄時に痛みや不快感などあるか
・消化不良や腹痛など腹部に問題がないか
など考えうる原因をちゃんと情報として入手することがキーになります。
問診後の徒手検査では腰部や骨盤周りの確認はもちろん
腹部の触診を行いどの臓器に不調があるのかを探ります。
消化器官に不調がある場合は
触診で痛みや不快感を伴うので慎重に行いましょう。
徒手検査で身体の状態を把握したら治療に移ります。
※病院での検査が必要な場合はその旨を伝えましょう。
腸間膜が原因で腰痛があるといっても
痛みに対する防御反応などで
おそらく腰や骨盤周辺の筋肉はハリがあると思います。
そのため腰の治療も当然しなくてはいけません。
そのうえで腹部の治療を行います。
まずは腹部の軟部組織(皮膚、筋膜、腹膜など)のハリを除去し
横隔膜の治療を行います。
その後不調が見られた部分に
BLTやMFRを応用したVisceral techniqueを施していきます。
OMTのVisceral techniqueは基本的に
インダイレクトテクニックとして使われます。
※インダイレクトテクニック:痛みや不快感の少ないポジショニングで行う方法
腰部と腹部の治療が終わったら
最後に首や胸椎付近、仙骨部分の治療を行うことで
自律神経の乱れを整えてあげましょう。
どうやって予防、改善する?(自分でできること)
もしお腹の不調と腰痛が同時にあるなら
まずはお腹の不調を改善しましょう。
例えば不調になる前の行動(飲食したものなど)を見返して
心当たりがある場合はその原因となる行動を避けてみましょう。
また便秘などの場合は食生活の改善や十分な水分補給、
適度な運動など行いましょう。
整骨院などで治療をしてもらう場合には
腰痛があることはもちろんお腹の不調も伝えましょう。
そうすることで腰だけではなくお腹に対するアプローチや
生活改善のアドバイスなどをもらえる可能性があります。
最後に
今回紹介したのはあくまで腰痛を起こしうる1つのパターンです。
腰痛を引き起こす要因には腸間膜以外にも
関連痛によるものやストレスによるものなどさまざまあります。
治療を受けているにも関わらず腰痛の改善が見られない場合は
一度別の視点から腰痛を見てみることをおススメします。
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