みなさんは頭が痛いとき
どこの治療を受けようと思いますか?
首?肩?ヘッドマッサージなどで直接頭の治療?
確かにそれらの治療も大切です。
首回り肩回りの不調によって頭痛が起こることは多いです。
ですが、実は骨盤の歪みを改善してあげることで
頭痛が緩和されることがあるのです。
今回は”頭痛と骨盤の歪みの関係性”について
紹介していきます。
ただ、この関係性を紹介をするには
頭蓋骨(脳頭蓋)と骨盤(仙骨)の動きが基礎となるので
内容として少し長くなります。
なので今回のトピックはPart1とPart2と2回にかけて紹介していきます。
まず今回は
頭蓋骨と骨盤の動きについて紹介します。
頭蓋骨(脳頭蓋)の動き
そもそも「頭蓋骨って動くの?!」と思う方も多いと思いますが
頭蓋骨は脳頭蓋と呼ばれる脳や橋、延髄の保護をする骨と
顔面頭蓋と呼ばれる顔を形成する骨の2種類あり
計21個(舌骨を除く)の骨で構成されています。
そしてこれらの骨は”縫合”により関節を作っています。
今回は特に脳頭蓋に着目します。
脳頭蓋は
・前頭骨
・頭頂骨 ×2
・側頭骨 ×2
・後頭骨
・篩骨
・蝶形骨
の計8個の骨で構成されています。
頭蓋骨の動きを考えるうえで基準となるのが
後頭骨と蝶形骨の関節(Sphenobasilar symphysis: SBS)の動きです。
SBSには屈曲伸展、側屈、捻転がありますが
ここでは屈曲伸展の動きが関係してきます。

※右の骨が後頭骨、左の骨が蝶形骨
※画像左が屈曲、画像右が伸展
SBSは関節部分が上に凸の状態を”屈曲”とし
上が凹状態を”伸展”とします。
そしてこのSBSの屈曲伸展に伴ってその他の頭蓋骨も動きます。


※側頭骨 ※右側頭骨(画像の右側が前方)
側頭骨の場合
SBS屈曲時に赤い矢印の方向に回転(外旋)し
伸展時に青い矢印方向に回転(内旋)します。

※右側のオレンジ部分:前頭骨
左側のオレンジ部分:後頭骨
前頭骨と後頭骨の場合
SBS屈曲時は赤い矢印方向に回転(外旋)し
伸展時には青い矢印方向に回転(内旋)します。

※オレンジ部分:右頭頂骨
頭頂骨の場合
SBS屈曲時は赤い矢印方向に回転(外旋)し
伸展時には青い矢印方向に回転(内旋)します。
これらの動きが連動して
SBS屈曲時には頭蓋骨(顔と頭)は
横方向に広がり、縦方向と前後方向で短くなります。
逆に伸展時には
横方向は短くなり、縦方向と前後方向に広がります。
骨盤(仙骨)の動きと歪み
骨盤は1つの仙骨とその両側にある2つの寛骨のことを指します。
そのうち、今回の頭蓋骨と関係があるのは仙骨です。

※仙骨の左側面(画像左側が前方)
仙骨の基本的な動きは前屈後屈で
上体の前屈後屈に連動して起こります。
黒い点を軸に赤い矢印方向に回転するのを前屈
青い矢印方向に回転するのを後屈とします。
仙骨と寛骨の関節(仙腸関節)の可動域は
約2mm(約5度)以内でと言われています。
そのため仙腸関節の前屈後屈の動きは
上体の前屈後屈や脚(股関)の屈曲伸展の可動域を広げたり
それらの動きをスムーズに行う働きをします。
また日常の姿勢や動きのクセなどにより
単純な前屈後屈以外の状態で歪んでいる場合もあります。


※仙骨後面
上の2枚の画像ともに
黒い線を軸に赤い矢印方向に回転知ることを前屈とし
青い矢印方向に回転することを後屈とします。
一番多いのが左上から右下にかけて引いた線を軸に
左回転(前屈)した形だといわれています。
そしてこれらの仙骨の歪み方には
梨状筋の状態が影響しています。
その他にも縦軸で右回転と左回転をする歪み方もありますが
今回の内容にはあまり関係がないので省きます。
また仙骨は呼吸によっても動いており
呼気時に前屈して吸気時に後屈をします。
しかし、仙骨(仙腸関節)が機能不全を起こしている場合は
この動きが鈍くなります。
仙骨の歪みは
急性状態(ぎっくり腰など)の時には後屈し
慢性状態では前屈していることが多いです。
最後に
今回はPART1として
頭蓋骨(脳頭蓋)と寛骨(仙骨)の動きについて紹介しました。
次回はこの動きを基盤に
この2つがどのように作用しあって
頭痛に関連していくのかを紹介していきます。
ぜひ次回もご覧ください。
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