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Diaphragm doming(横隔膜)

執筆者の写真: trefle osteotrefle osteo

今回はDiaphragm domingについて紹介します。


※Diaphragm : 横隔膜




Diaphragm domingって?

Diaphragm domingはMETの応用テクニックの1つで

横隔膜のハリやコリを取り除くテクニックです。


横隔膜は呼吸筋の1つで

息を吸ったときに平べったくなり

息を吐いた時にドーム状になります。


つまり横隔膜は筋肉(骨格筋)の1つですが

意識していなくても常に働き続けている筋肉ということです。


さらに多くの筋肉と違って

「”筋肉の両端”を掴んで固定する」

ということができないので

通常のMETのやり方で筋肉を緩ませることができません。


そのためDiaphragm domingでは

「横隔膜の筋肉が緩んでいる状態(ドーム状)を強調させる」ことで

横隔膜のストレッチを行い筋肉の緩みを促進させます。



どんな時に使うの?

このテクニックはその名の通り

横隔膜に特化したテクニックなので

横隔膜にハリやコリがある時に利用します。


では、どんな時に横隔膜はハリやコリが出やすいのでしょうか?


①胸郭(肋骨)の動きがよくない

②身体のどこかに痛みがある

③ストレス(不安感、緊張などを含む)を感じている

④肥満や妊娠

⑤骨盤底筋群のハリやコリ


これらは呼吸が浅くなる要因でもあります。


呼吸は本来

胸郭の拡張収縮と横隔膜の上下運動によって

息を吸ったり吐いたりしています。


しかし呼吸が浅くなってしまうと

胸郭がちゃんと収縮する(息をしっかりと吐き切る)前に

拡張をして息を吸い込もうとします。


そして胸郭が収縮しきっていないと

もちろん拡張にも制限が出てきてしまうため

横隔膜をフル稼働させることで

通常の呼吸を保とうとします。


さらにこの”呼吸が浅い状態”が長期間続くと

胸郭を拡張させようとする筋肉にも

ハリやコリが出てきてしまい

胸郭を収縮することが困難になり

横隔膜への負担は増える一方になってしまいます。


また肥満や妊娠、骨盤底筋群のハリやコリのように

横隔膜の下方向への動き(横隔膜の筋収縮)が

妨げられているような状態の時には

それらがないときと比べると

横隔膜が筋収縮をするのにパワーが必要になります。


骨盤底筋群のハリやコリは1回の施術でも改善はされますが

妊娠であれば約10か月、

肥満であれば数か月から数年にかけて

その状態が続くことになるので

横隔膜のハリやコリが顕著な場合が多いです。


そのためDiaphragm domingによる横隔膜の治療は

普段の呼吸の改善になり

横隔膜の柔軟性の低下による

周辺臓器や組織への負担を軽減することができます。


※胸郭(肋骨)の動きに対するアプローチも大切です。


その他にも

胃食道逆流症の治療のとしても使うことができます。


横隔膜には3つの穴があり

そのうちの1つ(食道裂孔)を通って

食道は胃につながっています。


その食道裂孔には胃の入り口(噴門)部分が位置していて

横隔膜のハリやコリなどの不調は

胃からの胃酸などの食道への

逆流の要因の1つとなってしまいます。


そしてこの逆流が頻繁に起こったり

長期間続いたりすると

食道がダメージを受けて逆流性食道炎になったり

食道がんなどのがんリスクが上がってしまいます。


横隔膜を治療することで

噴門部分にある下部食道括約筋の収縮のサポートをし

よりしっかりと入り口を塞ぐことができます。


また横隔膜のハリやコリによって

起こっていた胃への圧迫力も軽減されるため

胃から食道への逆流を改善することができます。



使う時の注意点!

このテクニックは横隔膜に対して

上方向(頭に向かって)の力を加え得て

筋収縮の際の下方向(足に向かって)の動きを制限します。


すなわち

このテクニックの最中は

常にお腹に圧力がかかっている状態になります。


そのため

腹部の圧迫によって激しい痛みを感じる場合

圧迫部分の肋骨骨折

手術後など傷ある場合には

圧をかける場所、力の強さ、患者さんの体勢などに

注意が必要になります。


またDiaphragm domingは

通常仰向け(背臥位)にて行いますが

座った状態(座位)で行うことができます。


例えば妊娠中の方の施術の場合には

座った状態で行う(さらに片方ずつ行う)方が

お腹の中の赤ちゃんを驚かせることが少なくなります。


※妊娠中の方に施術を行う際には

検診の内容など状態を把握したうえで

細心の注意を払いながら行うことが必要です。


さらに

このテクニックは患者さんの

意識的な深呼吸を利用して行うので

コミュニケーションを取るのが難しい場合には

使うことができません。



最後に

横隔膜はお腹周りに痛みや違和感などの

症状がある時だけに関わらず

常に活動している筋肉なので

知らず知らずのうちに疲れが

溜まっていることの多い筋肉です。


そのためどのような症状を持った方でも

施術を行う際には

ぜひ横隔膜もチェックしてみてください。

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