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MET(Muscle Energy Technique)

更新日:2023年11月11日

今回はMETについて紹介します。



みなさんはストレッチをより効果的にする方法を知っていますか?


ただ伸ばすだけよりも

伸ばしたい(緩めたい)筋肉やまたは

その反対の動きをする筋肉(拮抗筋)を使った方が

実は簡単にストレッチ効果が上がるのです。



METって何?

METは筋収縮を行うことで起こる

筋肉の神経に対する絶対不応期

筋紡錘や腱紡錘の作用で起こる脊髄反射を利用して

筋肉の緩みをより効果的に行う能動的ストレッチです。


疲労や使いすぎによって起こった筋肉のハリやコリ

それに伴って起こる関節可動域の低下

痛みや違和感などを改善するためによく使われます。


またMETは関節の動きを伴うテクニックになるので

このテクニックによって関節周辺の循環も改善されるので

痛み物質などの不純物などを取り除いて

関節の痛みの緩和にも使われます。


そのため関節の痛みを伴う

関節症(OA, RA, AS, DISHなど)の方の

痛みの緩和や関節可動域の低下防止としても使われています。


また人の身体は全身に筋肉が張り巡っているため

METはどこでも使うことができ

基本的には年齢や性別にかかわらず使用可能なので

OMTの中で最も使用頻度の高いテクニックです。



METの種類

METには2種類あり

Post-isimetric release(PIR)

Reciprocal Inhibition(RI)があります。


PIR


PIRは筋肉の絶対不応期を利用しており

慢性的な症状の方に使われるテクニックです。


絶対不応期は筋収縮の直後に起こる状態で

その時には筋肉が神経からの

伝達を受け取ることができないので

筋肉が自動的に弛緩していきます。


テクニックとしては

PIRでは緩めたい筋肉を一時的に収縮(等尺性収縮)させます。

例えば、大腿直筋を弛緩させたい場合には

股関節の屈曲もしくは膝関節の伸展の動きを利用します。


まずは利用する関節もしくはターゲットとなる関節の

最大の関節可動域まで関節を動かします。

(※ただし痛みや違和感がある場合はそれが起こらない範囲内)

そこで患者さんに施術者の動きに反発するように力を入れてもらい

等尺性収縮の状態にします。

その状態を5~10秒ほど維持して力を抜いてもらいます。

それをだいたい3~5回ほど繰り返します。



RI


RIは筋紡錘と腱紡錘を作用させることで

脊髄反射を起こし

それにより筋肉を弛緩させるテクニックです。


このテクニックでは

弛緩させたい筋肉の拮抗筋を収縮させるので

急性の場合に特に用いられ

慢性の場合でもPIRで効果が見られないときなど

状況に応じて急性と慢性の両方の状態に対して使うことができます。


テクニックとしては

まずは患者さんの力の入れやすい関節のポジショニングをし

軽く力を入れてもらいます。

施術者はその力に対して抵抗力を加えて

等尺性収縮の状態を5~10秒ほど維持します。



どんな時に使う?

METは筋肉の収縮を利用したテクニックなので

一番のターゲットは筋肉です。


筋肉そのもののハリやコリ、痛みはもちろんですが

それによって起こってしまった

関節の動きや姿勢の悪さを改善させるのに使われます。


例えば筋肉バランスが悪くなってしまって起こる

猫背やUpper crossed syndrome、lower crossed syndromeなどは

姿勢も良くないですし

それに伴って関節の動きが悪くなったり痛みが出てきたりします。


そのような場合には

METを行うことで筋緊張をとくことができたり

またあまり使われていない筋肉を使ってあげることで

それらを改善することができます。


また関節自体に痛みが生じている場合

METを行うことで関節内(滑液)の循環を促進するので

痛み物質の除去や必要な栄養素の取り入れができ

関節の痛みを軽減することができます。


さらに不可逆性の関節症(OA,RA,AS,DISHなど)の場合には

治療目的の1つとして「関節可動域の維持」があります。

これらに罹患した場合

放置をしていると関節の動きが悪くなってしまい

最終的には動かなくなってしまいます(関節強直)。

日常生活に支障をきたすのであれば

人工関節置換術を行う必要も出てきます。


そのためMETを使うことで関節可動域の維持をしたり

関節の痛みの軽減にもつながるので

とても有効なテクニックです。



使う際の注意点!

METは筋肉の収縮を利用したテクニックなので

筋肉や靭帯に急性のケガ(肉離れや捻挫など)がある場合には

そのケガを悪化させる可能性があるので使用することができません。


またその筋肉周辺に

骨折(まだ骨癒合していない状態)がある場合にも

筋収縮によって骨片が再転位する可能性があるので

使用は避けた方がいいです。


施術を行う周辺に特に外傷などがみられない場合でも

METによって痛みが生じる場合には

別の方法でアプローチをかけた方がいいでしょう。


その他にも

コミュニケーションを図るのが難しい場合も

METの使用はできません。


METは意識的に筋収縮を起こしてもらう必要があるので

言葉での正確なコミュニケーションを図れない幼児や

病気や障がいなどによって意思疎通が難しい状態の方や

施術中に眠ってしまった場合には

METでの施術ができないので

別のテクニックで施術を行うことが必要になります。


また身体の力を抜くのが苦手な方に施術を行う時には

呼吸を利用すると効果が出やすくなります。


力を入れているときに息を吸い

力を抜きながらゆっくりと息を吐いていきます。


身体の力をしっかり抜ける方でも

呼吸と組み合わせて行うことで

METの効果をより上げることができるので

ぜひ試してみてください。



最後に

OMTの中でも最も使用頻度の高いMETは

筋緊張を緩和するだけではなく

関節の可動域向上や痛みの緩和など

幅広い症状に使うことのできるテクニックです。


ですが、使えないもしくは使わない方がいい場合もあるので

状況や状態をしっかり把握したうえで

安全に施術を行いましょう。

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