OMT (Osteopathic Manipulative Technique)
- trefle osteo
- 2022年5月13日
- 読了時間: 6分
更新日:2023年11月11日
今回はオステオパシー治療で使われている
OMT (Osteopathic Manipulative Technique)について紹介します。
OMTって何?
OMTとはオステオパス(オステオパシー治療を行う人)が
施術を行う際に使用するテクニックで
代替的医療として開発された手技です。
手技を行う際には
まず施術を行う相手の身体の状態を
しっかり把握する必要があります。
問診でその人自身と家族の既往歴や服用している薬など
できるだけ詳しく情報を入手し
それをもとに徒手検査法を用いて身体の現状を把握します。
徒手検査ではまずActive motion、
Passive motion、active resisted motionの3つから
ROM (Range Of Motion)の確認と
動きにより痛みや違和感が生じる場合には
その痛みが筋肉によるものなのか
関節によるものなのかを見極めます。
☆動作によって痛みや違和感が生じた場合
Active motionのみ → 筋肉によるもの
Active motion以外 → 筋肉以外によるもの
※動作で大まかに原因を区別した後、
触診でより詳しく痛みの発生元を探ります。
ROMの確認のあとは
触診とSpecial testsを用いて問題の生じている原因を探ります。
オステオパシーは海外では医療として確立しており
独自で診断を行うこともあり、各専門医との連携を大切にしているので
必要に応じて心臓血管系や消化器系などの徒手検査も行います。
問診と徒手検査(必要であればその他細密検査の結果)
身体の状態を把握したうえで
手技療法を用いて施術を行っていきます。
OMTの種類は?
OMTは徒手検査法と手技療法に分けられ
徒手検査法は関節(靭帯)、筋肉、神経はもちろん
心臓血管や呼吸器、消化器、脳神経など
打診機や聴診器などの道具を用いて全身の状態を把握します。
そして手技療法は大きく分けて5つあります。
・STM (Soft-Tissue Massage)
・MET (Muscle Energy Technique)
・MFR (Myofascial Release)
・BLT (Balanced Ligamentum Technique)
・HVLA (High-Velocity, Low-Amplitude)
これらの5つのテクニックを基礎として
全身の軟部組織(皮膚、筋膜など)、筋肉、関節などはもちろん
Visceral technique(内臓系)やOCF (Osteoppathy in the Cranial Field)、
Lymphatic technique(リンパ系)など
さまざまなアプローチで身体の改善のサポートをします。
また交感神経などに働きかけるテクニックもあるので
他のテクニックと組み合わせて自律神経を整えるなど
ストレスを抱えてる方に対して施術を行うこともあります。
施術中に気を付けた方がいいこと
術者は患者さん/お客さんとコミュニケーションを図りながら
その人の身体にあった強度(intensity)と
頻度(frequency)で施術を行う必要があります。
また使用したテクニックが合わなかった場合
(痛みを伴ったり、その人がそのテクニックを好まないなど)は
直ちに施術をストップし他の方法や別のテクニックを使って
アプローチをかける必要があります。
そのため施術者はテクニックの向上はもちろん
コミュニケーション能力を高める必要があります。
施術を受ける時には
「施術者に気を使わない」ことが一番大切になります。
とはいえ、横暴な態度をとっていいというわけではありませんが…
この「気を使わない」とは
「気を使って痛かったり嫌なのに我慢することをしない」
ということです。
痛いときには「痛い」、嫌な時には「嫌だ」と
きちんと術者に伝えましょう。
痛みや不快感を感じている状態での施術は
テクニックの効果が反映されないだけではなく
施術に対して防御反応をしてしまい
施術を受けた後なのにむしろ疲れてしまったり悪化してしまったりと
本来の施術の目的とは反対の影響を
身体に与えてしまうこともあります。
自分の身体に合った施術を受けるためにも
施術中に感じたことはしっかり術者に伝えましょう。
また効果を感じられた時にも
それを伝えることでさらに
効果的な施術を受けることができます。
施術後に体調が悪くなるのはどうして?
マッサージや整骨院などで施術を受けて
少し時間が経った時や次の日などに
施術を受けた部位の筋肉の痛みや
倦怠感(だるさ)などを感じたことはありませんか?
施術を受けた後の身体は
「施術を受ける前とは違う身体」になっているため
身体が混乱している状態です。
「違う身体」というと
大げさに聞こえるかもしれませんが
関節1つの動きが良くなるだけでも
身体にとっては大きな変化です。
そのため施術を受けてから平均24~72時間には
上記のような症状が出やすく
その変化が大きい方が症状が強いこともあります。
ですがそれらは身体が
「新しい身体」に順応するために起こった症状なので
症状が治まった後には施術を受ける前より
だいぶん調子がよくなります。
とはいえ、どんな理由にせよ
痛みや倦怠感などは無いに越したことはないので
その現象を好まない場合は
それに応じた施術をしてもらうように
施術者に伝えましょう。
逆に、上記のような症状が治まった後も
施術の効果を感じることができない場合は
施術内容があっていないということなので
担当施術者にそのことをしっかり伝えましょう。
また上記のような症状が長引いたり
施術を受けた部位の悪化などが生じた場合には
直ちに施術を行った術者に連絡をし
必要であれは病院で検査を受けましょう。
OMTを受けた後に避けた方がいいこと&した方がいいこと
OMTだけに限らず、整骨院で施術を受けた後や
マッサージやストレッチなどを受けた後の行動で
その効果をあげたり持続することもできますし
逆に効果を無効にすることもあります。
施術を受けた後には筋肉や靭帯などの弛緩により
関節が緩むことで動きが良くなります。
裏を返すと「関節が無防備になっている」ということです。
そのため「身体軽くなったから」と
いつも通りもしくはそれ以上に身体を動かすと
捻挫など関節を傷めてしまったり
それに伴ってその周囲の組織を傷めてしまったりします。
またせっかく緩んだ筋肉や靭帯を使うことになるので
施術の効果が持続しなくなってしまいます。
そのため施術を受けた後には
できるだけ安静にすることが必要です。
肉体労働や激しい運動を避けるなど
できるだけ身体を休めてあげることで
施術によって高めた自己治癒力を
最大限に発揮することができます。
そのためOMTなどの施術を受けるタイミングは
仕事が終わった後やお休みの日など
施術を受けた後に
比較的ゆっくりできる時がおすすめです。
また施術によって
体内では水分の循環が高まっているので
施術を受けた日は特に
意識して水分を補給することが大切です。
水分が不足すると血液循環が悪くなり
身体の修復に必要な栄養素が
届きにくくなってしまいます。
そのため施術を受けた後には
コーヒーなどの利尿作用のある飲みもは避けて
水分をとると身体の修復を促すことができます。
その他にも、ストレッチなどの軽い運動は
施術の効果を持続させるのにおすすめです。
例えば猫背などの姿勢は施術直後は改善されていても
何もせずにいつも通りの生活を送っていると
時間とともにまた猫背に戻ってしまいます。
ストレッチやウォーキングなど軽い運動を習慣化し
筋肉のバランスを整えることで
施術の効果を持続することができます。
そのため施術を受けた際には
術者にストレッチ方法やトレーニング方法などの
正しいやり方を聞いて実践することをおすすめします。
最後に
OMTとして進化を遂げてきたテクニックは
現在多くの術者(柔道整復師、理学療法士など)に使われています。
代替的療法として使われているこれらのテクニックは
的確に使われれば効果を発揮しますが
間違った使い方をすると効果が出なかったり
むしろ状態を悪化させてします危険性があります。
OMTを行う際には方法はもちろん
禁忌などもしっかり理解したうえで施術を行いましょう。
また施術を受ける際には
痛みや不快感など「合わない」と感じた時には
ちゃんと術者に伝えましょう。
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