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月経前症候群(PMS: premenstrual syndrome)

更新日:1月10日

今回は女性特有の身体の不調である

月経前症候群(PMS: premenstrual syndrome)について

紹介します。


生理周期によって異なりますが

およそ28日に1回(月に1回)ある月経ですが

月経が近づくにつれて

さまざまな症状に悩んでいる方も

多いのではないでしょうか。


月経前症候群は女性特有の体調不良ですが

カップル間や夫婦、家族間では

男性の理解があるのとないのとでは

症状のレベルは変わってきます。


今回の内容は

男性の方にも少しでも関心を持って

読んでいただけたらと思います。



月経前症候群って?

月経前症候群(PMS)とは

その名の通り、月経がはじまる前に

心身ともに不調が起こることです。


期間は人によって異なりますが

月経がはじまる約1週間前に症状が出始め

約2日前には症状のピークを迎えます。


PMSの症状はお腹周りはもちろん

全身にさまざまな不調をきたします。


<症状の例>

・腹部膨満感、痛み

・腰痛

・胸の腫れや痛み

・頭痛

・筋肉や関節の痛み

・四肢(腕、脚)の浮腫

・食欲の変化や体重増加

・吐き気

・便秘

・睡眠障害(不眠、過眠)

・倦怠感や疲労感

・不安感の増強

・うつ状態

・苛立ちや怒り

・情緒が不安定

・社会的孤立


症状の数や度合いはそれぞれですが

女性の約80~90%が

少なくともPMSの症状の1つを持っており

そのうちの2.5~3%が重度のPMSに

苦しんでいると言われています。


また、この重度のPMSは

月経前不快気分障害

(PMDD: premenstrual dysphoric disorder)と言われ

社会活動を含む日常生活に支障をきたします。



PMSの原因って?

PMSの原因については、未だ解明されていません


しかし、PMSにはさまざまな要素が関わっており

とても複雑な疾患だと言われています。


そこでポイントの1つとなるのが神経伝達物質です。


私たちの身体は

神経を流れる電気信号によって

動かしたり感覚を認知していますが

その電気信号を伝える働きをしているのが

神経伝達物質です。


この神経伝達物質は

ストレスや疲労などの

精神的・肉体的ダメージによって影響を受けますが

性ホルモンによっても悪影響を受けると言われています。


女性の身体では

約28日周期で女性ホルモンの変動が起こり

妊娠と出産の準備が行われますが

そのホルモンの変動によって

神経伝達物質の生成が阻害されたり

うまく機能しなくなってしまいます


そのため

もともとストレスを感じやすい環境にいたり

体調が優れない状態にあると

PMSの症状が増強してしまいます。


また、神経伝達物質の一つである

幸せホルモン(セロトニン)は

必須アミノ酸であるトリプトファンを

主原料として小腸で生成されるので

食生活の乱れや小腸の働きの低下によって

PMSの症状を悪化させることもあります。


さらに、メカニズムなどは解明されていませんが

月経前後には体内の電解質の不足もみられ

これも原因の1つと言われています。


その他にも

遺伝的要素や代謝変動なども加わるので

症状の改善にはさまざまな要素からの

アプローチが必要だと言われています。



改善方法や予防方法は?

PMSの治療方法として

もともとは薬によるものがメインでしたが

最近では薬の服用と同時に

生活の見直しや食事改善などを行うことが

大切だと言われています。


生活の見直しとしては

適度な運動や睡眠の質の向上

ストレスを感じる出来事や環境を避けることが含まれます。


適度な運動は自律神経の乱れや

睡眠の質を改善する効果もあるので

ちょっとした隙間時間に

軽い運動やストレッチなどを

取り入れてみるといいでしょう。


また最近では

YouTubeなどで運動系の動画もたくさんあり

音楽やリズムに合わせて

楽しみながら運動をできる動画もあるので

「どう運動したらいいかわからない」

「ストレッチってどうしたらいいの?」と思う方は

ぜひ自分に合った動画を探してみてください。


睡眠の質の改善は

原因によって少し方法が異なるので

原因が把握できない場合には

いろいろと試してみる必要があります。


例えば、日頃のストレスや疲れによって

自律神経の乱れで睡眠の質が低下している場合

ストレスを回避したり

日光を浴びたり、適度な運動

香りや音楽などを用いてリラックスタイムを過ごすなど

自律神経のスイッチが

切り替わりやすくするようにします。


また、お腹の調子がよくなかったり

食生活が乱れている場合には

お腹(小腸)の働きの改善

食事の見直しをすることで

睡眠の質を向上することができます。


食事に関しては

トリプトファンを多く含む

バナナや大豆食品などを意識して摂取すると

幸せホルモン(セロトニン)が生成されやすくなるので

症状が緩和しやすくなります。


PMSについて書かれている文献では

カルシウムの摂取によって

PMSによる食欲の変動やうつ的症状、疲労感などが

約50%減少したとも言われているので

日常的にカルシウムを意識して

摂取してみるといいかもしれません。


そして、少し厄介なのが

日常で感じてしまうストレス。


ストレスを感じる出来事や環境を避けるのは

少し難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。


突発的な出来事のように

防ぎようのないこともありますし

職場や家庭でストレスを感じている場合には

生理中だからと仕事を休んだり

家を出て生活を送るということはできないですよね。


もちろん、避けられるような状況や環境は

意識して回避することをおすすめしますが

その他の状況や環境によるものは

「回避をする」というより

意識するのをやめる」ようにするといいかもしれません。


誰かの言動に対して

「何か言ってるな」「何かやってるな」くらいに

言葉や状況をそのまま正面から受け止めるのではなく

少し横目で見てすぐ視線を逸らすような感じで

受け流すようにすると

ちょっとは”ストレス”として

蓄積されにくくなるかもしれません。



最後に

PMSの症状には個人差があり

ほとんど症状がないという人もいれば

生活をきたす程の重度な症状に苦しんでいる人もいます。


男性の方にとっては無縁の疾患なので

なかなか理解をするのは難しいかもしれませんが

カップルや家族間で

男性が分かっていてサポートをするかによって

症状が悪化したり緩和されたりするので

少しだけ意識してみてください。


女性自身も

生活や食事の改善をすることで

症状が緩和されるので

できることからはじめてみてください。

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