前回の「骨盤の歪み(PART1)」では
骨盤についてと骨盤の歪みの種類について紹介しました。
まだ読んでない方は
ぜひそちらもチェックしてみてください。
そして今回は
骨盤の歪みの原因と改善方法について紹介します。
骨盤の歪みの原因って?
骨盤の歪みの原因は
性別や骨格的なことなどの先天・内因的な要因から
何気ない日々の生活の影響によるものなどの
外因的な要因からさまざまです。
①先天・内因的な要因
性別で言うと、やはり女性の方が
骨盤の歪みは出やすいです。
生理の時や妊娠時には
女性ホルモン(エストロゲン)が多く分泌され
このホルモンが出産の準備として
靭帯を緩める働きをするため
骨盤が歪みやすくなります。
また出産後など
強制的に骨盤周りの靭帯が伸ばされた後には
骨盤の固定力が落ちているので
骨盤の歪みの原因になります。
※靭帯は1度損傷すると治りません。
その他にも、骨格的に左右の足の長さが違う
(LLD:Leg Length Discrepancy) と
そのアンバランスを骨盤で整えようとするので
その結果、骨盤が歪んでしまいます。
このLLDは約8~9割の人が持っていると言われていて
左右差は2~3mm程度が平均的です。
ただしこの差が10mm以上になると
膝や腰などに痛みや違和感が出やすくなったり
20mm以上になると日常の生活に支障をきたしてくるので
専門医によるサポートが必要になります。
②外因的な要因
後天的な要因は
何気ないクセや姿勢、仕事によるものなどがあります。
例えば、立っている時に片足だけに重心をかけているとか
猫背などの背中や腰などの姿勢の悪さは
骨盤にかかる圧のかかり方や
筋肉のバランスが悪くなるので
骨盤は歪みやすくなってしまいます。
また、姿勢を固定した状態で
長時間作業をしないといけない仕事をされている方は
骨盤だけに限らず、歪みは出やすくなってしまいます。
どうやって改善するの?
まず最初に大切なことは
「歪みを取り除かない方がいい場合がある」
ということです。
先ほど紹介したように
LLDのように骨格的な要因の場合
骨盤を歪ませることで
全体のバランスを取っているので
歪みを完全に取り除いてしまうと
他の場所が極端に歪んでしまったり
全体のバランスが崩れてしまいます。
そのため
どの歪みをどれだけ改善していいのかを
しっかりと見極める必要があります。
このことを念頭に置いたうえで
改善方法には
運動やストレッチなどの自身で改善を図る方法と
矯正などの人や道具によって改善を図る方法の
2パターンがあります。
①自身で改善する方法
前回の「骨盤の歪み(PART1)」で紹介したように
骨盤は筋肉によっても固定されているので
歪みの予防として
骨盤周りの筋肉トレーニングが大切になります。
特に女性の場合は
月に1度骨盤が歪みやすくなるタイミングがあるので
靭帯が緩んでしまったときにも
しっかりと骨盤を固定できるだけの
筋力アップがカギになってきます。
また筋肉のバランスが整うことで
骨盤の歪みを改善することができます。
さらにストレッチを行うことで
筋肉のハリやコリを取り除いてあげると
骨盤にかかる牽引力が低下するので
歪みの改善と予防になります。
そして筋力トレーニングやストレッチによる
身体の変化は緩やかなため
骨盤の歪みが改善する過程でも
身体への負担が少ないのもポイントです。
姿勢に関しては
自分で完全に改善することは難しいですが
立つ時には両足に体重をかけるなど
自分で意識して改善できることから
始めることをおすすめします。
また筋力トレーニングやストレッチは
姿勢の改善にもつながるので
簡単なものでもいいので
ちょっとした時間にやってみてください。
②人や道具を使う場合
矯正(HVLA: High-velocity, Low-amplitude)は
1回の施術で歪みを取ることができ
また瞬発的な牽引力で
周囲の筋肉のハリやコリを取り除くことができるので
よく利用されます。
ただし、短時間で効果が出る分持続力も低いため
この施術を行う際には効果を持続させるために
自分でトレーニングをしたりストレッチをするように
患者/お客さんに提案をする必要があります。
また骨盤ベルトの利用は
痛みがある場合や骨盤が不安定の時に使うと
骨盤が固定されて痛みの軽減になります。
しかし、長期間の着用は骨盤周囲の筋力低下や
正常な靭帯を傷めてしまう危険もあるので
使う際には骨盤の状態と期間を
確認して使うことが大切です。
最後に
骨盤の歪みは種類と原因がさまざまあり
取り除いていいものとそうでないものがあるので
改善を行う際には
しっかりと状態を把握し
個々に合った施術を行っていく必要があります。
また整骨院などで人から治療を受けたり
骨盤ベルトを使用する場合でも
自分自身で筋力トレーニングや
ストレッチを行うことが重要になるので
「自分の骨盤がどのように歪んでいるのか」
「自分にはどの改善方法が合っているのか」を
把握したうえで改善していきましょう。
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